教科書に載せたい話題

【完全論破】「財政破綻するー!」は嘘? MMTを独自考察してみた

話題のMMTは、本当に日本の財政を救う特効薬になるのか?

今回、三橋貴明氏の動画に長文コメントしました。

【結論:今は財政緩和は必要。でも、コレジャナイ】

僕の結論としては、【こんなアホな議論をするエネルギーを他に使え】です。

日本におけるMMTはトンデモ理論でさえもなく、経済再生を諦めた者たちの、国家デフォルトに向けた、ただの軟着陸の方法としての理論でしかない、というものです。

大きな理由として、【国債市場の流動性】・【公共事業の腐敗】という2つのキーワードを挙げました。

この2つの問題が解決しない限り、MMT論者はお花畑です。永久に議論すべきではありません。

MMT理論が目指すゴールも、全ての国が、自国通貨を発行して無理なく自国統治を成し遂げることと信じたいのですが、そのゴールに至る過程に、究極の格差社会が出来上がってしまうのです。

ただし、今のコロナ禍で自民党政権がやっている、「国民にだけ緊縮を強いる財政」は、これこそ不幸な人が増える最悪な手法なので、これは早急に改める必要があります。【国民に向けた緩和をしろ】という意味での主張は同じでしょう。今はひとつになって、声を上げていきましょう。

実際の長文コメントを読みやすくしました

以下、コメント全文:

オリーブの木チャンネルのコメント欄に、MMTに関しておすすめの動画としてリンクあったからどんなもんかと観にきた。僕の発言を論破するならぜひやってみて欲しい。

現代貨幣理論は片手落ち、いや現状は両手落ちの理論だと説明させてもらう。

【国債市場】

まず、マシなほうの片手。紙幣増刷によってインフレ目標を設定するのは不可能。

「さらに財政拡大して、やりたいこと全部やればいい」とおっしゃる。でもインフレ率は気にしろと。これはほとんど今の金融緩和とやってることは変わらない。

「為替レートはFXだから気にしない」とおっしゃるが、いちばん気にしないといけない問題じゃないのか?物価上昇は国内だけで起こることではない。金融市場の恐ろしいところは、即座に全てを織り込むこと。

紙幣増刷に頼ったインフレは瞬時に見抜かれ、円の価値はドルに流れ、日本国債の価値は相対的に下落し、日経平均株価の実質採算ラインを押し上げる。日経平均は指標であり、採算ラインに満たないと、日本が債務超過と見なされて、国債の格付けが下がる。

現に、今の株価上昇は明らかに景気の回復じゃない。日銀の買い支えと、政府発表の無制限金融緩和を受けて、国際通貨としての日本円の価値下落を織り込んだ株高だ。コロナ禍で実質GDPの減少は明らかだ。こんなわかりやすい状況はなかなかないだろう。株式市場は国債市場に比べたら小さいので、上がったように見えるが、実際は採算ラインが上がったと見るほうが現実に近い。ちなみに無制限金融緩和を発表する前は採算ライン19500と言われていた。

こんなことをわざわざ言わなくても、日経平均の上昇を見て景気がいいと思うアホは流石にもういないだろう。根本的な問題は、規模の大きなほうの【国債市場】にあるのだ。こんなものは中学生でも理解するだろう。だが、ほとんど全てのメディアは報じないだろう。

つまり、日本円が流動性を追求した国際通貨である限り、日銀がいくらお金を刷っても、国内物価は一見上がったように思えても、世界基軸通貨であるドル基準で見るとただのデフレだということ。無駄をこいた分のデフレ。

「国債は資産だからお金は無限」といくら喜んでも、ドルへの資産流出を止めない限りはただの自虐行為だ。「今はMMT中なので見逃してください」とでも言うのか。日本がMMTを論ずるのなら、もっと鎖国的な独自通貨ということが前提だろう。

【公共事業】

もう一方で、MMTを提唱してはいけない重大な欠陥はこちらのほうだ。「論破!」というのなら、日本の公共事業がいかに素晴らしいかという論破をセットにしないといけないのではないか?

日本が抱えている問題は、政治のみならず三権分立の腐敗。供給が「足りない」のではなくて、いくら供給しても「往き届かない」のだ。

いくらお金を刷っても、国民の大多数が豊かにならないのはなぜか?ズバリお金の使い方が下手糞だから。今は、超少子高齢化の中で、立法行政はもちろん、国民ひとりひとりが腐敗や無駄を意識して、声を上げて、地に足つけた実業を学ぶ局面じゃないのか?

動脈を広げる一方で、静脈をしっかり繋げないといけない。むしろ国家としての本当の動脈は、今ここにある国民の体温じゃないのか?お金先行じゃなくて、体温が生み出した価値と価値を正しく循環させることで需要が生まれるんでしょ?

コメント欄や山本太郎さんの発言にもあったが「紙幣を刷れば解決する。小学生の時にした妄想は正しかったんだー」だと?ならば、本文の内容は、中学生レベルならわかる内容だろう。

こんなコレジャナイ理論に時間を捨てるより、政治腐敗に目を光らせて声を上げようよ。価値を生む実業を学ぼうよ。国益って、そういうことじゃないの?

叩きたいんじゃない。ここの人達は優秀だから頼りたいんだ。確かに今は何らかの金融緩和は必要だ。だけど、その先はどうだ?僕は中学生レベルなのでこれ以上わからないけど、三橋さんやここに観に来てる人は頭いい人だと思うので、ここから先、どうやったら国民がひとつになれるのかを考えてほしい。

しっかりしてくれよ本当に。

海外の反応

安倍総理や麻生財務大臣はMMTの実践を否定していますが、
バーニー・サンダース氏のアドバイザーを務め、
2020年の大統領選への出馬を表明しているニューヨーク州立大のケルトン教授は、
「日本はMMTを実践している」と述べています。

海外の反応に関しては、パンドラの憂鬱さんの記事がとても参考になります。

補足:グラフや図解には気をつけて!

僕はグラフがかなり嫌いです。記事を読んでいてグラフが出たら、余計に時間をかけて考察しなければならないからです。

山本太郎さんは、異常なほどにグラフや図解を多用しますよね。MMT論者の多くは、グラフや図解を多用している印象があります。グラフや図解には、理解しやすいという長所はあるという反面、視聴者や読者の【思考力や想像力を削ぐ】という効果があります。

グラフや図解には、必ず目的があります。単に、わかりにくい部分を解説するだけならいいのですが、もし、根拠が弱いことをカバーしたいとか、論点をすり替えたいなどの意図があったのだとしたら・・・

グラフや図解が出た時には、他に何の意図が含まれているのか、いないのか。まんまと思考や想像を止めてしまわずに、時間をかけてガン見して、グラフや図解が【表していない部分】を考察するようにしましょう。